無呼吸症候群の症状・影響
「いびきがうるさい」と家族に迷惑をかけ、寝ている間に、体がちゃんと休めずに、「起きた時に頭が痛い」、「昼間に眠い」、「熟睡できない」などの症状があり、生活に影響が出ていませんか?知らないうちに、睡眠無呼吸症候群になっているかもしれなせん。ひどい場合には生活だけではなく、仕事効率の低下や日常の安全の脅威(運転時など)になることもあります。
上記の症状がある方は無呼吸症候群の可能性が高いと思われます。日ごろからこういう症状がないかに気を付け、早期に診断や治療にアプローチすることをお勧めします。
無呼吸症候群とは
睡眠中に呼吸が何回も停止・低下し、血中酸素が低い症状が発生する病気です。
無呼吸症候群の原因
睡眠無呼吸症候群は2つに分けます。
多くの場合、舌の付け根の筋肉が垂れて、空気の通り道である「気道」が狭くなったり、塞がったりすることで起こります。この場合にいびきが伴うことが多いです。これを閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS:obstructive sleep apnea syndrome)といいます。
一方で、数は少ないですが呼吸をつかさどる脳中枢の機能障害によっておこる場合があり、これを中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS:central sleep apnea syndrome)といいます。OSASとCSASをあわせてSASと呼びます。
中枢型は数少ないため、本文章では主に閉塞型について述べます。
以下は無呼吸症候群になる主な因子:
・肥満(のどへの脂肪沈着が増加するために気道の空気の通りが悪くなる)
・あごの骨格によって気道が狭い(下顎骨が小さいなど)

無呼吸症候群の検査・スクリーニング
無呼吸症候群は現在日本で呼吸器科・歯科(睡眠歯科)・口腔外科において検査や治療が行われています。
検査としては主に以下のような流れになります。病院や医師によって違う場合もあります。
1)日中の眠気を評価するために,ESS(エプワース眠気尺度)問診票が知られています.24点満点で評価されますが,11点以上で日中の眠気が強いと判断します.『エプワース睡眠尺度(ESS)問診票』も参照下さい)
2)簡易スクリーニング
呼吸検知器とパルスオキシメータで睡眠中の呼吸状況と血中酸素状況を記録し、睡眠中無呼吸症候群の疑いがあるかスクリーニングを行い、疑いがある場合はさらに精密検査を受けてもらいます。
2)ポリソムノグラフィーでの精密検査
色にろなバイタルを測定できて、精密検査ができるが、一日入院することが必要で、費用が高い面もあるため、ポリソムノグラフィー検査を受ける前に、スクリーニング検査を行うところが多いです。

無呼吸症候群の治療
1)睡眠時無呼吸症候群(SAS)を歯科装具(マウスピース)で治療するケースもあります。スリープスプリントとも言われています。下顎を上顎よりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。

2))経鼻的気道持続陽圧療法(CPAP療法)
最も重要な治療法は,経鼻的気道持続陽圧療法です.これは鼻にマスクをつけ,特殊な機械で圧力をかけて空気を送り込む治療法です.この圧力によって肺への空気の流れがよくなり,呼吸が止まることがなくなります.

3)睡眠時の姿勢の変更など睡眠に関するアドバイス